【#先生、死ぬかも】教員の残業時間がいまだに減らない理由

働く

こんにちは。

2023年度より、部活動が学校教育から段階的に切り離されるという報道がありました。

教員の多忙化の大きな要因となっている公立学校の部活動について、文部科学省が改革方針をまとめた。

中学と高校の休日の部活動を2023年度から段階的に地域や民間団体に移行し、教員による指導は希望者に限るとした。休日の開催が多い運動系の大会や文化系のコンクールも、参加する機会を絞り込むよう求めた。

教員の働き方改革に向けた取り組みが始まってはいるが、長時間労働は依然解消されていない。文科省は「これまでの部活動は教員の献身的な勤務の下で成り立ってきた」とし、持続可能な部活動にするためにも改革が必要とする。

引用:京都新聞 公式ホームページ

さて、本当に部活動が学校教育から地域に移行していくことで、教員の労働時間(主に残業時間)は、短縮されるのでしょうか。

教員の仕事はなぜこんなにも残業(休日の仕事も含む)が多いのでしょうか。

ここ10年で増加した業務を具体的にあげていきましょう。

部活動

主な残業理由は、部活動が大きくあげられます。

教員のタイムスケジュールは下記のとおりです。

  • 15時40分  終学活(帰りの会)
  • 16時00分  清掃活動終了
  • 16時00分~ 部活動開始
  • 17時00分  文化部終了
  • 18時00分  運動部終了(18時30分をすぎることもある)

この地点で、すでに定時の17時は過ぎてしまっています。

また、朝練を行っている部活動の多くは、7時~7時30分開始しており、始業時刻の8時30分より1時間以上も早く出勤しなければならない現状があります。

「これまでの部活動は教員の献身的な勤務の下で成り立ってきた」どころのさわぎではありません。

顧問の先生がそのスポーツが好きだから?

指導をするのが好きだから、朝も休日も時間を問わず、練習も行っている?

という認識には、民間企業との意識の差をとてつもなく感じます。教員の自発的行動にお任せしている感がいなめません。

ただ、休日は部活動手当は出ます。

  • 4hで2500円程度
  • 6h以上で4000円程度

気がつきますか?これは、最低賃金よりも低い計算になっています。特に、中学校や高校の先生方は、ほぼボランティアの状態で、部活動に励んでくださっています。先生方の情熱により、部活動は成り立っていると言っても過言ではありません。正当な労働に対する対価が支払われるような社会になってほしいものです。

保護者対応

児童生徒に学校内で何か起こった場合、担任から保護者への連絡を入れます。

先程も書きましたが、生徒が下校し、教員が自由になる時間は16時以降です。この時間に、保護者への電話がつながればいいのですが、最近は共働きしている家庭がほとんどで、電話がつながりやすい時間帯といえば、18時30分以降になります。

定時の時間内に、保護者への連絡が済むというのは、非常に稀なケースです。電話連絡も報告だけで済めばいいのですが、親としての子どもに対する不安感や心配事など、保護者の方も子どもへの悩みはつきないものです。そして、教員はほとんどが真面目で優しいため、保護者の心に寄り添い、電話が長くなってしまうというケースも日常茶飯事です。

電話だけで済む場合と、家庭訪問をして、直接話しをする場合とありますが、どちらにしても「教員が事情を伝えて終わり」というわけにいかず、1時間以上になることもしばしばあります。特に担任の先生は長時間労働をせざるを得ない状況なのです。

職員会議(学年会議や校務分掌会議を含む)

学校の会議は非常に長いです。

職員会議の日は、50分授業を45分授業に変更し、会議のための時間が確保されます。

基本的には、

  • 15:30 職員会議開始
  • 17:00 職員会議終了

となります。「定時に終わってるのでは?」と思われる方も多いかもしれませんが、会議が終わってから、先程の保護者連絡や、部活動の指導、教科準備が始まります。

また、定時に終わる職員会議はまだいいのですが、生徒指導上の情報交換や、行事の日程変更など、その場で意見が出ることも多く、意見が多くなれば、なるほど、時間が延びていくことがあります。

学年の会議も、1時間半で終わることはまずありません。わたしのようなママ教員は、会議の途中で退勤することが当たり前になっています。

テスト採点

基本的に、定期テストは最終日が金曜日となるように組まれています。その理由は、土日に採点し、月曜日に返却することが、一番教員の負担にならないからです。

よく考えてみると、土日に採点することが前提になっているので、民間企業の方からすればおかしいと思われるかもしれませんが、平日の空き時間に採点していては、永遠に生徒にテストを返却することができません。

わたしたち中学校教員の空き時間は、1日に平均1時間、多くて2時間です。その空き時間には、このあとに書いているような「保健室対応」があったり、学校に登校していない生徒への電話連絡、家庭訪問や、提出物の点検など、テストの採点なんてしている暇はありません。

これらの理由で、休日出勤して採点するか、自宅に持ち帰り、採点をしている先生方がほとんどです。

中学校3年生の実力テスト(年5回)に至っては、翌日に返却するという暗黙の了解があるため、自宅に持ち帰り、徹夜して採点するということもあります。

成績処理

わたしが教員になった14年前にはなかった「観点別評価」が導入され、成績処理が半端なく時間のかかるものになりました。

何に時間がかかるのかというと、つけた成績をチェックする時間です。生徒名+5段階の数字だけをチェックするのと、4項目の観点(英語の場合、「関心・意欲・態度」「表現の能力」「理解の能力」「言語や文化についての知識・理解」)という項目を、それぞれA・B・Cと3段階つけます。

つまり、「生徒名」「4つの観点」「評定」の6項目を、生徒一人ひとり、間違いがないか確認しなくてはならないのです。

成績でミスをすることは、保護者への信頼関係を失うものです。念入りに、何度も何度もミスがないかを確認します。

わたしが教えている英語は、担当している4クラス(160名弱)をチェックすればいいだけですが、実技教科の美術や音楽は全学年(600名)を1人の教員が担当していることもあり、チェックの時間だけでも、かなりの時間がかかることがわかります。(時間だけでなく、気づかれもします…)

これを、平日の勤務時間内(空き時間)にしなさいという方が無理があります。ミスを防ぐためには、時間をかけるしか方法がありません。

道徳評価

2019年度より、道徳の「特別の教科化」が始まりました。

教科化される前は、

  1. 道徳の授業を行う
  2. 生徒が記入したワークシートにコメントを記入する
  3. ワークシートを返却する

というのが、授業の流れでした。これが、教科化されたとこにより、上記の1~3に加え、

  1. 道徳の授業を行う
  2. 生徒が記入したワークシートにコメントを記入する
  3. ワークシートを返却する
  4. 生徒全員への評価コメントをPCに入力する
  5. 通知票作成時には、生徒一人ひとりの道徳の評価コメントのまとめ(つまり、道徳の評価)を作成する

この4,5にとてつもなく時間がかかります。もちろん、似たような意見を持つ生徒は、評価コメントをコピー&ペーストすることも可能ですが、そんな機械的な評価の付け方をする先生は、ほとんどいません。

生徒のワークシートをすみずみまで見て、生徒自身が前向きに将来を進んでいけるようなコメントを書かれる先生が多いです。

担任の先生が書かれた「道徳の評価」は非常に愛情深いもので、子どもの心に届くように書かれています。これも、非常に時間のかかる業務内容となっています。

保健室対応

大人でもある、いわゆる「プチ不調」な生徒が近年かなり増えています。

  • 「頭が痛い」
  • 「お腹が痛い」
  • 「なんとなく気分がよくない」

このような状態で保健室にやってくる生徒が急増しています。

わたしの勤務している中学校は生徒人数が600名もいる大規模な学校です。保健室にいる生徒が常時5名程度はいます。

養護教諭(保健室の先生)が一度に5名を対応するのは、なかなか大変です。空き時間には、保健室をのぞいて、自分が所属している学年の生徒がいれば、体調のことを聞いたり、気分が乗らない原因を聞き出したりします。

  • 「勉強しろ」と親に言われる
  • 塾の宿題が追いつかず、寝る時間が夜中2時3時になる
  • 両親がケンカをしていて、家の居心地がよくない

など、生徒によって、理由はさまざまです。

自分が抱えている問題をすぐに話してくれることはなく、じっくり聞いていかなければならないことがほとんどです。その日の唯一の空き時間が保健室対応で終わってしまい、教材研究やその日の小テストの丸付けを自宅に持ち帰ることが、ほぼ毎日です。

まとめ

そんなことまでやるの?と思われるかもしれませんが、生徒が心地よく、健やかに学校生活を送るために、わたしたち教員はどこまでも努力せざるをえません。

気づかないふりをして、自分の仕事だけをしていれば、残業や持ち帰りの仕事も減るのかもしれませんが、基本的には真面目な人が多い教員は、決してさぼることをしません。

それが、現実には心の病を引き起こしている原因となってしまっているのも事実です。自分を犠牲にしてまで、働き続けなければならない現状があることを知っていただくために書きました。

また、学校に残って仕事をしている場合は「残業」とみなされますが、わたしのようなママ教員は定時で退勤し、子どもを寝かしつけてから、夜中や休日の早朝に仕事をすることも多くあります。

「残業時間」だけに焦点を置かれがちですが、残業外の残業をしている先生も世の中にはたくさんいることを知っていただければ、幸いです。

「これまでの部活動は教員の献身的な勤務の下で成り立ってきた」という一文は、部活動だけでなく、日本の学校教育全般について言えることです。献身的だけでは、耐えられなくなってきているのが、今の現状です。

一刻も早く、教員の負担が軽減され、労働に対して正当な評価が行われるようになる時代が来てほしいものです。

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